めずらしいレズビアンもの.
「百合」って言った方がいいのかな.
ネット上で大層評判が良かったので読んでみた.
「百合」って言った方がいいのかな.
ネット上で大層評判が良かったので読んでみた.
『青い花』★★★(★5つが満点)
あらすじが,何となく書きようがないので短くてすいません.
レズビアン漫画というよりは,吉屋信子『花物語』風の,古い意味での「少女」小説的百合漫画. 「お姉様」「かわいい妹」の世界だ. とりあえず現在出ている2巻までの範囲では,セックスは出てこず,性愛というよりプラトニックな愛がメインテーマ. 描き方も柔らかい感じで,「友情」「恋愛」「疑似恋愛」の境界が曖昧な,思春期特有の「熱気」を描いた作品と言えそう. その意味では,ガチのレズビアン漫画(エロ的にせよ思想的にせよ)を期待する向きには物足りないだろう.
レズビアン・百合という要素を離れて,ひとつの漫画として読むと,力量のある作家にしかできない,いわゆる「透明な空気を掴んで描く」タイプの作品で,何気ない日常を描きながら,登場人物たちの心情が細やかに描かれていく点は秀逸. 上に書いたとおり,いまいち刺激には乏しい作品だが,それでも広く高い評価を得ているのは,漫画としての基本レベルの高さに理由があると言っていい.
個人的には,結局,作者がこの作品のどこを中心に据えているかが分からないので,現時点では断定的評価を出しづらい. その意味で,中庸の評価:★3つとさせてもらった. 最悪の展開は,「結局,すべては女子高時代の『はしか』のような疑似恋愛でした」となってしまうこと. いや,それはそれでいいのだが,そうなったらレズビアンとはほとんど無縁になってしまうし,「同性愛は友情や疑似恋愛と地続きである」という誤ったメッセージを社会に向けて発してしまうことになる.
反対に,疑似恋愛をするキャラと,レズビアンで本気の同性愛をするキャラを同時に描き分けることができたら,これはレズビアン・百合ものを越えて,セクシュアルマイノリティ漫画の金字塔になりうるかもしれない.
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